セレンディピティー

会社をターンアラウンド(企業再生)させようと奮闘努力している。
中期的な工程に基づき現在「経理業務を中心とした業務改革/BPRプロジェクト」から着手しているが、大変な道のりだ。何十年も同じやり方でやってきた事を”変える”という作業がこんなにエネルギーを必要とするものだとは思わなかった。
考え方を変える事に戸惑ったのかもしれない、昨年夏には対応出来なくて精神的に参ってしまう人まで出てきた。社内での私に対する風当たりは相当厳しかったが、あきらめなかった。
業務改革を開始して約1年、計画からは相当遅れているが、やっと社内に少しずつ協力者が増えてきてくれた。本当にうれしい。又、諦めずに強い信念を持っていると、セレンディピティー的な偶然にも恵まれたりもする。
昨年11月、中国長春市に出張した時にトヨタ自動車工場を訪問する機会を得た。質問出来る立場にはなかったが、ちょうど改革プロジェクトが暗礁に乗り上げている時だったので、思い切って現地社長室長にトヨタの改善活動について聞いてみたところ、親切にも2点のアドバイスを頂いた。

1) 改革マネージャーは実務に精通している人物を起用する事
2) 改革をリードするトップが強い信念を持つ事

又、トヨタでも業務改革活動は”現状否定”から入るので、現場からの反発もあり難しい中で進めている事を話して下さった。
目からうろこだった。まさに、当社の場合1)が欠けていたのだ。異動してきたばかりの課長にプロジェクトをまかしていたのだ。又、トヨタでさえ苦労しているという生の声は本当に勇気づけられた。
なるほど、1)の改革マネージャーを実務精通者に変えるとプロジェクトは進みだした。

強い信念を持っていれば、セレンディピティーが訪れるのだ!

ターン・アラウンドに非常に参考になった書籍

ターン・オーバー ―企業を再生させる逆転の経営システム IAC

ターン・オーバー ―企業を再生させる逆転の経営システム IAC